もりまち | 木に生かされてきたわたしたちができること

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木に生かされてきたわたしたちができることって何だろう

奥岡崎ぬかたの森を巡る/もちまち

愛知県のほぼ中央に位置する、わたしたち岡崎製材が生まれ育った岡崎市。このまちで”もり”と”まち”を繋ぐ活動をおこなう「株式会社もりまち」と、”もりとまちの問題”を知り、わたしたちのこれからを考えました。

 

目次

   01.もりとまちの問題
   02.ジメっと薄暗くて怖い?健康的な森に必要なもの
   03.「森を育てる」は「ヒトを育てる」
   04.木に生かされてきたわたしたちができることって何だろう



もりまち tadaima.

 


01. もりとまちの問題

愛知県のほぼ中央に位置する、わたしたち岡崎製材が生まれ育った岡崎市。15年間でおよそ3万人も人口増加している活気ある岡崎の市域は、実は【約60%】が森。そしてその60%のうちのさらに6割が人工林(人が植樹したヒノキ・スギ・マツ)なんだそうです。

この人工林は植樹してから60~70年の年月が経っており、このまま放っておいたらどうなるのか…。もしかしたら一気に寿命をむかえて一斉に森が枯れてしまうかもしれない。実際のその時がくるまで何が起こるのかは、あくまで予測。


もりまち tadaima.


”もり”と”まち”は循環しています。現に岡崎市の水道の3/4量は山から流れる川の水で賄われています。その水源となるもりの環境がおおきく崩れてしまったら…。見渡せば山があり、川がある。そんなありふれた風景はこの先失われてしまうかもしれない。

それはなぜ?そもそも林業の問題が叫ばれて久しいけど一体何が問題なの?木を使うことって悪いことなの?現地で学んだことで、見えていなかった”もりとまちの問題”が見えてきました。


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02. ジメっと薄暗くて怖い?健康的な森に必要なもの

今回森に学びに行って特に印象的だったのが、「ヒトの手がかかっている森」と「放置された森」の差です。

わたしは子どものころからなんとなく、森は昼でも暗くてジメっとしていて怖い。そんな感覚を抱いてきました。ひとりで入ってはいけない、そんなイメージです。


もりまち tadaima.


しかし、ヒトの手がかかっている森には光が差して、爽やかで気持ち良い。幹の下には緑も生い茂っています。この差はきちんと「間伐」されているかどうかなんだそうです。

「間伐材」という言葉は聞いたことがある方も多いですよね。野菜などと同じように間引いて密度を調整する。まっすぐ育つように枝を落とす。山の中に重機を入れて危険を伴いながら作業する。そうやってひとつひとつ膨大な手間をかけることで健康的な森が作られていきます。


もりまち tadaima.


この健康的な森を100年後も維持するための活動もみせていただきました。


もりまち tadaima.

もりまち tadaima.

もりまち tadaima.

 


03. 「森を育てる」は「ヒトを育てる」

わたしたちが直接的に関わる森の問題のひとつに、家具をつくるために向いている良質な広葉樹が今、世界的に枯渇して高騰を続けていることがあげられます。

じゃあ放置されている森で、古木となった針葉樹を伐採して、広葉樹を植えていけば良いんじゃない?と、安直な考えが浮かぶのですが…。

わたしたちは植樹、つまり木を植える活動の大変さを学びに、さらに移動します。


もりまち tadaima.


 

植樹を行うためにはまず一面の伐採活動からスタート。急斜面で伐採していく。それだけでも大変な労力がかかることは想像に難くありません。

そしてこの一帯、フェンスで囲まれています。それはなぜか。


もりまち tadaima.


若くて柔らかい葉は、シカの大好物です。そう、食べられてしまうのです。新芽から育てて植えた苗を食べられないようにフェンスが設置されています。

このように植えるための準備も大変ですが、植えたらそこから新たなスタートです。健康な森を育てるためには水やり、草抜き、間伐、枝打ちなどたくさんの手をかけていく必要があります。そこにはもちろん、人や重機を動かすための資金も必要です。


もりまち tadaima.


この時点では植えられていませんでしたが、コナラと山桜が植えられる予定です。植えてから”10年間”は手をかける必要があるそうです。長い年月をかけ育てきる責任を思うと、前回の投稿でみた「明るく草木が生い茂った森をつくる」というのがいかに大変かが分かります。


植える→育てる→間伐する→伐採する→使う→植える→育てる…


「もりづくり」は「人づくり」で「地域づくり」。そうはじめにおっしゃっていたことがようやく少し理解できた気がしました。



04. 木に生かされてきたわたしたちができることって何だろう

奥岡崎ぬかたの森をめぐるツアーのラストは、伐採した間伐材たちの行く先。そこにはわたしたちも見かけるカタチに製材されたスギ・ヒノキたちが。


もりまち tadaima.

もりまち tadaima.

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木は伐採してすぐに材料として使えるわけではありません。製材し、使用する前に「乾燥」を行わないといけません。長いものになると10年単位の年月をかけて乾燥していきます。

都合よく使いたいときに伐採してパッと届ける…とはいかない木材たちを「今使いたいよ」という方に届けるためには、「もり」と「まち」を繋ぐ、流通を担う『ヒト』が必要です。わたしたちの母体である岡崎製材でも行っています。


もりまち tadaima.


もりをつくるヒトがいて、もりとまちを繋ぐヒトがいて、モノづくりをするヒトたちがいて…。今まで当たり前かのように錯覚して見えていなかった大切なことを学ぶツアー体験となりました。

間伐材のように使った方がよいものは積極的に使っていく仕組みを。世界の広葉樹のように不足しているものはできる限り長く使うための仕組みを。

今あるものが、いつまでも続くものではないことを自覚して。自然にヒトに誠実な製品をつくり、扱うモノもひとつひとつ選んでいきたい。tadaima.では学びから得たものをショップの基準に反映し、進んでいきます。


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SHOP THEME
"ただいまを言いたくなる、心地よい巣づくりしよう"


無垢の木が主役の家具と、長く大切に使いたい手しごと品。そして家に帰ると心がふっと和らぐ、暮らしを彩るアイテムたち…。

tadaima.は「ただいまを言いたくなる、心地よい巣づくりしよう」をテーマに提案する暮らしのセレクトショップです。


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