INASE®|自然素材を扱うものとしての共通点

INASE®|自然素材を扱うものとしての共通点

自然という偉大なデザイナーの存在。石の価値をすべての人に届けたい

INASE®/稲垣石材店

2024年4月、稲垣石材店が展開する「INASE®」にtadaima.オリジナル製品をつくってもらうことになったわたしたちは、岡崎製材と同じ愛知・岡崎市にある稲垣石材店のアトリエに取材に伺いました。稲垣石材店代表の稲垣さんと石工職人の井上さんにお話を伺い、製作の様子をみていると、同じ自然素材を扱うものとしての考え方に共通点がみえてきました。

 

目次

   01.INASE®(稲垣石材店)について
   02.INASE®と岡崎製材
   03.居心地のよい巣づくりのためのアイテムとは?
   04.石都・岡崎で磨き続けた匠の技を見に行きました



INASE tadaima.

 


01. INASE®/稲垣石材店について

稲垣石材店は、日本有数の”石の都”である愛知県岡崎市で100年続く老舗石屋。上佐々木町にある石の町「石工団地」には60社もの石屋が並び、石製品の御用は何でも揃うといわれる土地で伝統を守り続けてきました。

そんな稲垣石材店が守り抜いてきた伝統と技術を胸に、「石の価値をすべての人に届ける」という想いを、創業者である稲垣清市氏の魂にのせて。石の器「INASE®」が誕生します。

INASE tadaima.

 


02. INASE®と岡崎製材

ここでINASE®とわたしたちの関係について。
わたしたちは以前、「同じ地元老舗企業のアトツギ同士で一緒に何かおもしろいことに挑戦しましょう」の一言から始まった想いで、クラウドファンディングにて木と石という異素材を組み合わせた【Ki+Seki -木石- 】を企画販売しました。

「木」「石」という自然が創り出す素材の価値に光を当て、クラウドファンディングでタイアップ企画をする、という前代未聞の挑戦は目標比691%を達成。成功をおさめます。

INASE tadaima.

Ki+Sekiの素材には、木も石も、いわゆる「端材」を使用しました。材木屋・石屋が本業を営む中でどうしても発生する「端材」。(岡崎製材ではこれらを「HAZAI®」と呼び、「HAZAI® project」というブランドで、木を余すことなく新たな価値を創造していく活動を行なっています。)

木も石も、永い時を経て地球が生み出した尊い資源。端材であろうとその価値は変わりません。素材に生かされてきた私たちには、素材を余すところなく生かす使命がある。

たとえ「端材」であっても、細部まで職人の技が凝縮された工芸品として、長年愛着をもって使用していただくことを目指したい。その想いを互いにもっていることを企画を通して知ることとなります。

INASE tadaima.

INASE tadaima.

 


03. 居心地のよい巣づくりのためのアイテムとは?

そこから少し時が流れ、INASE®さんとまたタッグを組むこととなりました。今度はtadaima.が伝えたいことをINASE®と組むことで表現できることは何か。という目線でスタートします。

おうちが好きな人がもっとその空間を好きなる、家に帰ってきたら張りつめた心がふっと和らぐ。そんな居心地のよい暮らしを実現したい。暮らしをつくるひとつひとつが健やかで心地良くしたい。

その時に思い起こされたのが、Ki+Seki完成時に食器以外に使い方を提案できないかいろいろ模索する中で素敵だな、と感じた「香皿」でした。

お香は、香りを楽しむだけでなく準備や手順も含めた、時間や空間そのものを楽しむことではないでしょうか。そのための道具にもこだわると、その時間がさらに上質に、さらに大切なものになると考えます。その実現のためにINASE®にお願いしてみよう、となったのです。

INASE tadaima.

INASE®さんのアトリエに伺った際、代表の稲垣さんに香皿の話を伝えると、天然大理石を使うことを提案をいただきました。

 

INASE tadaima.

アトリエにある色とりどりの石材。世界に1枚の顔をもつ木のテーブルや家具の上で、天然大理石の美しい表情の香立てを手にし、香りを選び、火を焚き、香りを聞く。

頭に浮かぶその光景は、暮らしを大切に扱いたいと考えるわたしたちの想いに沿うものでした。「お願いします」。そう答えるのに時間はかかりませんでした。

 


04. 石都・岡崎で磨き続けた匠の技を見に行きました

日本有数の石の都・愛知県岡崎市で匠の技を磨き続けた創業100年の歴史あるINASE。石の都として名高い岡崎市の『石工団地』も、かつては100軒以上あった石屋も、4割が廃業。危機感をもつ業界の中でINASEは石の新たな価値を、確かな技術で切り拓いているブランドです。

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石>

工芸の世界では職人が減少、石工も逃れることはできません。それでも今回の香立てで採用した美しい"テーパー加工"も、面取りも、石都の熟練した職人技術だからこそ成せるもの。大量生産ではなく、手で作られているからこそ1点モノの表情をもった手しごとの温かみを感じられるのだと理解できる時間でした。

INASE / tadaima.別注 香立て 天然大理石

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石>

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石/White>ビアンコカララ(イタリア産)

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石/White>ビアンコカララ(イタリア産)

ひとつひとつ、丁寧に。ムダのない動きで作業は進行。


INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石/White>ビアンコカララ(イタリア産)

 

底面側にテーパー加工を施すことにより、見た目の美しさに加え”持ち上げやすさ”も追求。このひと手間に職人の美学と機能性が詰め込まれています。

 

INASE / tadaima.別注 香立て 天然大理石

INASE / tadaima.別注 香立て 天然大理石

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石>

 

お香を差すホルダー部分は、角度・深さ・大きさともに繊細な調整が行われています。腕利きの職人でも、穴を空ける瞬間はとても緊張する一瞬。1点ごとに納得いくまで調整は続きます。


INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石>


今回の取材でわかったことは、世界中に木にも数え切れないほどの種類があるように、天然大理石だけでも300種以上あるとされています。そして1枚1枚切り取る場所によって、同じ種類であったとしてもまるで表情が異なる。そして端材も最後の最後までしっかり活かしきりたい。その世界は、わたしたち岡崎製材が提案する「NATUREDESIGN®」の考え方そのものだったのです。

また木材と同様に、長年使って傷がつき、一度キレイにしたいなと思ったときには、表面を削り直せばまた、新品時のような美しい大理石が顔を出します。これは無垢材にしかできないお直しです。

たまに直しながら長く大切に使う。そんなアイテムが暮らしに根付いてくることで、暮らしを大切に、自分を大切にすることに繋がってくるのだと信じています。

 

INASE / tadaima.別注 香立て<天然大理石>

 

お香を焚くときはもちろん、お香を焚かない時間もオブジェとして、眺めるだけでうっとりとするよな心地良さを与えてくれる。そんな唯一無二のtadaima.オリジナル香立てができました。









INASE (イナセ)

"一世紀にわたり、石とともに歩み続けた石材店。 先代が育んできた「石の価値」を、より多くの人へ。 "


石の都、愛知県岡崎市で100年続く石屋、稲垣石材店が「石の価値をすべての人に届ける」という想いを創業者である稲垣清市氏の魂にのせて「INASE」が誕生。

“石”という自然物が人の手にふれる機会を失いつつある中、石屋でさえ気づかなかった石の“価値”に光をあててくれたのは、ゆたかな感性で石のもつ重厚さや繊細さを汲み取り、独自の世界をつくり上げていく料理人たち。彼らと対話し、何とかそのイメージをかたちにしようと石のハンティングをはじめ、熟練の職人とともに試行錯誤を重ね、“石の器”が完成。それがINASE誕生の第一歩でした。そこからINASEは石のもつ可能性を信じ、石にふれる、一人ひとりの心に一石を投じるべく新たな作品を創造し続けています。

石材店が生み出したINASEの作品は、料理の世界にとどまることなく、多くのハイセンスなプロたちを魅了しています。フランスのミシュラン星付きレストランでも認められる、”本物”の魅力をご堪能ください。


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