なぜ材木屋が「自由研究キット」をつくったのか。
木のちがい、説明できますか?
私たちは毎日の暮らしの中で、たくさんの木に囲まれて生活しています。テーブルや床、鉛筆や積み木。身近な存在でありながら、木そのものに目を向ける機会は意外と少ないのかもしれません。
木には、色や木目だけでなく、重さや香り、手ざわりにもそれぞれ違いがあります。 そんな木の個性を、子どもたちに五感で感じてほしい。 そんな想いから生まれたのが「木のひみつ研究キット」です。
最近、子どもたちは木に触れているだろうか
昔に比べて、子どもたちが自然素材に触れる機会は少なくなっています。木製品は身近にあっても、「これはどんな木だろう?」「木によって何が違うんだろう?」と考える機会は多くありません。
けれど、実際に木を手に取ると、その違いは驚くほどはっきりと感じられます。軽い木と重い木。 香りの強い木とそうでない木。 やわらかい木と硬い木。図鑑や写真だけでは分からない発見が、本物の木にはたくさん詰まっています。
商品づくりの原点は、木育イベントでした
岡崎製材では長年、地域の子どもたちを対象とした木育イベントを開催してきました。イベントの中で木片を並べたり、触ったり、水に浮かべたりすると、子どもたちは目を輝かせながら観察を始めます。
「なんでこの木だけ重たいの?」
「香りが全然違う!」
「沈んじゃった!」
そんな反応を見るたびに、本物の木に触れる体験には大きな価値があると感じていました。 そこで、イベント会場に来なくても、自宅で木の面白さを体験できるようにしたいと考え、このキットの開発がスタートしました。
本物の木でなければ意味がないと思った
このキットで大切にしたのは、「本物」を届けることでした。 着色や印刷によって木を再現するのではなく、実際の無垢材を使う。 それは、木が持つ本来の魅力を感じてほしかったからです。
見た目の違いだけではありません。 手ざわりも、香りも、重さも、木によってまったく異なります。 図鑑を読むだけでは分からない発見が、本物の木にはあります。
木を見比べるだけでなく、触れて、嗅いで、持ち上げてみる。 そんな体験を通して、木という素材の面白さに出会ってほしいと思っています。
なぜ9種類の木を選んだのか
キットに入っているのは、
- スギ
- ヒノキ
- キリ
- ケヤキ
- トチ
- オーク
- チェリー
- ブビンガ
- コクタン
身近な国産材から、普段なかなか目にすることのない銘木までを選びました。軽くて浮きやすい木もあれば、水に沈むほど重い木もあります。色味もさまざまです。木片を並べて見比べるだけでも、「木ってこんなに違うんだ」という発見があります。
世界中から集めた120樹種・5万点を超える無垢材を保有する岡崎製材だからこそ実現できた、比較して学べる贅沢なキットです。
自由研究は、ゴールじゃない
このキットは自由研究として使えるようにつくられています。付属のワークブックには観察のポイントやまとめ方のヒントがあり、初めてでも取り組みやすい内容になっています。
でも、私たちが本当に届けたいのは、自由研究そのものではありません。自由研究をきっかけに、
「この机は何の木でできているんだろう?」
「公園にある木は何という名前だろう?」
そんなふうに身近な木へ興味を持ってもらうことです。
木を知ることは、自然を知ることにもつながります。 このキットが、その最初の一歩になれば嬉しく思います。
実験が終わっても、木との時間は続いていく
多くの自由研究キットは、実験が終わると役目を終えます。けれど、このキットに入っているのは本物の無垢材です。だから実験のあとも、積み木として遊んだり、工作の材料にしたり、お気に入りのフィギュアや小さな宝物の飾り台にしたりすることができます。
学年が上がってから、もう一度実験してみるのも面白いかもしれません。知識が増えた分だけ、新しい気づきが生まれるはずです。「1回やって終わり」ではなく、暮らしの中で長く付き合えることも、このキットの魅力です。
木と出会うきっかけを届けたくて
私たち岡崎製材は、1917年創業の材木屋です。100年以上にわたり、世界中のさまざまな木と向き合ってきました。
木にはそれぞれ個性があります。だからこそ、子どもたちにも本物に触れ、その違いを感じてもらいたい。このキットが、木や自然に目を向ける小さなきっかけになれば嬉しく思います。
少しだけ、木のことを知ってみる。
いつもの暮らしの中の木が、違って見えてくるかもしれません。













