無垢材って何?

無垢材って何?

突然ですが「無垢材」って何のことかピンときますか?

 

へ?と思った方へ。

 

その「無垢」の名のとおり、一本の木から切り出されたままの木材を無垢材」と呼びます。どこをカットしても表面と同じ「木」が出現する状態のものです。

 

一方「化粧板」と呼ばれるものは、別素材などの土台の上に薄くスライスした木や、印刷物を貼り合わせた状態のものを指します。

 

この天然木を製材して作られる無垢材でも、加工方法により呼び方が変わるってご存じですか?

継ぎ目のない、丸太から整えられた木を切り出したままの木材は「一枚板」と呼ばれ、複数の木片を貼り合わせて作成する木材は、接着方法によって「集成材」や「幅はぎ材」に分類されます。

 

切り出される製材イメージ

 

 

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

 

 

■無垢材の分類

01 一枚板

一枚板イメージ

 

文字通り木材一枚だけで作られているもの。木の太さによって切り出せるサイズが限られるため、大きいサイズは特に貴重で、天然の木の風合いや肌触りを1番楽しめる木材です。
一枚一枚木目や色合い表情が異なり、芸術品ともいえる世界に一つのデザインが楽しめます。

◇特徴

  • 天然木本来の風合いや質感、温かみを味わえる
  • 美しい木目や豊かな節、経年変化を愉しめる
  • 二つとして同じものがない世界でひとつの一点モノ
  • 木の表情をそのまま残すため、表面には凹凸がある場合もある
  • 部屋の中の水分を吸水・拡散する湿度調節の効果
  • 温度や湿度の影響で伸び縮みするため、反りや割れの可能性あり
  • 存在感や重厚感があり、テーブル天板など大型家具に適している
  • 木の種類や育った環境等により強度にはバラつきあり

 

 

 

02 幅はぎ板

幅はぎ材

木材と木材を横方向に接(は)いで作る板材。大きな材を使用し接合部分も少ないため、より無垢の一枚板に近い自然な仕上がりになります。 無垢材の良さを活かしながら、反りなどのデメリットも改善できる木材です。

◇特徴

  • 集成材よりも大きな板材を接いで作るため、より自然な木目や経年変化を愉しめる
  • 高度な接ぎの技術により、無垢板のような風合いを再現
  • 環境変化による影響が少なく、反りや割れが比較的生じにくい
  • 高価な木材も効率よく活用して製作ができるため、リーズナブルに提供できる
  • 一枚板の自然な節模様とは異なるものの、木目の美しい箇所を揃えた板を製作可能

 

 

 

03 集成材

集成材イメージ

ブロック状にカットした木材を、接着剤を使用してジョイント接合したもの。繊維が異なった方向で接着されているため、乾燥や湿気の影響を受けにくく、反りや割れの心配が少なく、扱いやすい木材といえます。 

◇特徴

  • 天然木を使用しているので、木の温もりを味わえる
  • 環境変化による影響が少なく、反りや割れが生じにくい
  • 強度や品質が安定しやすい
  • 一枚板の自然な節模様とは異なるものの、木目の美しい箇所を揃えた板を製作可能
  • 機能的で幅広い製品に使用できる
  • ブロック状の木材を接ぎ合わせているため、無垢板のような存在感や風合い、全体的な木目の雰囲気を味わうことができない

 

 

メリットとデメリット

無垢材、集成材比較表

◇一枚板

メリット :木本来が持つ天然の木目の美しさと重厚な雰囲気を存分に味わえるところ。表面のキズや汚れがついても、削り直すことで新品に近い形で蘇らせることができます。 

デメリット:天然の木材ゆえに湿度による収縮や反り、ヒビや隙間が生じることがあります。樹種による価格差の他、サイズが大きくなればなるほど貴重になり高価になります。 

 

◇幅はぎ板・集成材

メリット :比較的安価。強度が高く、見た目のバラつきも少ないため、品質も安定しています。無垢材と比べ水分による反りやゆがみが少ないのも良い点です。 

デメリット :接着剤で再構成された木材につき、一枚板のような一点ものとしての個性には欠けてしまう。

 

 

 

■突板(化粧板)の分類

化粧板は無垢材とは異なり、芯材には合板など別素材を使用し、表の見える部分だけに薄くした木材またはプリントシートを貼って化粧をした板などを指します。

これらはチェアの背もたれや棚など、軽量素材を用いながら木目の美しさを活かし、価格を抑えた家具づくりに使用されています。

 

 突板、化粧板イメージ

04 突板(つきいた)

無垢材を0.2mm〜0.6mm程度のシート状にスライスした表面化粧材のこと。


◇特徴

  • 天然木の木目や節を活かした、美しい仕上がり 温度や湿度による変形がほとんどない
  • 家具の軽量化と、デザイン性の確保が両立できる
  • 1本の木から大量の突板を生産できるため、環境にやさしいサスティナブルな素材
  • 経年変化による味わいはほとんど生まれず、木本来のぬくもりは劣る キズついた場合、芯材が見えてしまう場合がある。修復は難しい

 

05 挽板(ひきいた)

無垢材を2mm〜20mmに挽いて使用。突板より木部に厚みがあるため、無垢材により近い風合いを表現できる化粧材です。

特徴

  • 天然木の木目や節を活かした、美しい仕上がり
  • 無垢材に近い温もりや経年変化をやや感じることができる
  • 環境変化の影響を受けにくく、反りに強い
  • 厚みがあるため、突板と比べると多少のキズや凹みでは破損しない

 

06 シート材

木目調の印刷シートを芯材の表面に貼り付けたもの。木とは別ものです。

     

     

     

     

    以上、今回は代表的な分類を紹介しました。ご紹介できなかった素材もまだまだあるので、気になる方は調べてみてください。
    木は身近にあるようで、実はよく知らないのかも・・・という方も多いのではないでしょうか?
    コラムでは、木にちょっと詳しくなれるお話をこれからも掲載していきます。